~ 診療のご案内 ~


受診患者さまへご案内


1:保険証は毎月提示していただきますので必ずご持参ください。

2:他の医療機関からご紹介の患者様は診療情報提供書(紹介状)、検査結果、お薬手帳などをご持参ください。紹介状無しでも問診票などで治療経過が解れば治療できます。糖尿病以外にも肥満、内分泌疾患や高脂血症、循環器疾患、腎疾患や呼吸器疾患など殆どの内科疾患には対応できますので遠慮なくいらしてください。

3:糖尿病でインスリンや経口血糖降下薬使用中の患者様はブドウ糖や甘いものを携帯するなど受診時に低血糖を起こさぬよう御注意ください。特に指示しない限り絶食は必要ないので食事をして御来院下さい。

4:インスリン治療中の患者様は毎回、ノートにつけた血糖自己測定(SMBG)の結果をお持ちください。主治医によるSMBG結果の確認が保険診療では義務付けられていますのでご協力お願いします。




診療のご案内


1:一般内科:風邪や扁桃腺炎、胃腸炎、喘息、花粉症や蕁麻疹、高血圧や動悸、息切れ、倦怠感、むくみなど諸症状がある方を対象に診察と検査、治療を行います。診察の結果、必要があれば、専門病院(高度医療機関)へ紹介させて頂きます。特定健診や健康診断・インフルエンザや肺炎球菌ワクチンなどの予防接種も行っております。

2:糖尿病内科:当院の専門分野で糖尿病の検査、診断、および治療を行っています。健康診断で糖尿病が疑われた方、自分は糖尿病でないか心配な方、治療を中断された方や治療中だがインスリン注射を進められたが使った方が良いのかなど専門医の考えを聞きたい方、などすべてが対象です。1型糖尿病は勿論ですが2型糖尿病でもベータ細胞機能が低下してインスリン治療が必要な方については外来で療養担当看護師の指導のもとインスリン注射の導入も行います。血糖自己測定ついても当院にてご指導、ご説明いたします。




当院で出来る主な検査


<血液、尿の迅速アッセイ(数分で測定結果が出ます)>

血糖・HbA1c測定と尿検査にはアークレイ社の最新の機器を準備して測定しています。HbA1cは国際的にgolden standard(指摘基準)とされる測定方法のHPLC法によって測定しています。数分で結果が出ますので、外来迅速アッセイで受診当日に血糖、HbA1c、尿検査結果を聞いて帰ることができます。これで院長も糖尿病治療薬の調整や変更には迅速に対応しています。


<心電図検査>

心電図や次の血管脈波計はフクダ電子の測定装置を用いています。心電図検査により冠動脈疾患である狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患の診断や、左室肥大、脚ブロックなどの伝導障害、心室性期外収縮や心房細動など重要な不整脈の評価ができます。肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病にはこれら心合併症の頻度も高く、無症状であることも多いので無症状であってもscreening検査の意義は重要です。これら心合併症がしばしば患者様の生命予後の決定因子になるからです。またR-R間隔の変動係数(CV)の測定によって心臓の自律神経機能(迷走神経機能)の定量的な評価も可能です。


<血管脈波伝播速度検査(ABI、CAVI)>

フクダ電子の最新の血管脈波伝搬速度計で末梢血管障害の評価ができます。四肢の血圧同時測定と脈波伝搬速度の計測によって下肢の動脈閉塞の有無や血管の硬さ(血管年齢)が解ります。院長は30年近く京都末梢循環障害研究会の代表世話人を続けてきました(現在は顧問です)。1500例にも上る膨大な糖尿病患者様の調査結果から末梢動脈疾患(PAD)は糖尿病の約10%に合併しており、PADを有する患者様の多くは冠動脈疾患や脳血管疾患も合併している事が解りました。壊疽による下肢切断riskが高いだけでなくPADの合併は生命予後にも重要な影響力を有する事を報告してきました。どの様な背景因子の方にPADが多いかも、はっきり認識できていますのでハイリスク患者様の定期的な血管脈波検査は重要です。早期診断によりPTAなどの血管内治療で下肢切断を免れた方も少なくありません。


<CPAP、AHI(無呼吸低呼吸指数)>

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は院長も神経内科の専門医と共同研究で調べたことがあるのですが糖尿病+肥満(BMI≧25)の患者様にはかなり多い合併症で、いずれもない方の約4倍高頻度に見られます。ただし瘦せていても生まれつき気道の狭い方はSASは起こりえます。当院ではResMed社の機器を用いて夜間の呼吸管理を行っています。CPAPの使用状況(1か月に何日何時間使えているか)やAHI(無呼吸低呼吸指数:1時間に何回呼吸が止まっているか)などが、従来のSDカードを持ってきていただかなくてもインターネット回線を介して情報が外来の電子カルテに伝えられますので直接報告できます。患者様の受診時に毎回睡眠時無呼吸の状態を見て効果的なCPAPの使い方の指導をしています。

日中の強い睡魔や倦怠感、夜間の頻回覚醒、酷い鼾や家族からの呼吸停止を指摘された方は睡眠時無呼吸の可能性も高く、放置すると居眠り運転による交通事故、血圧上昇や心血管イベント(心筋梗塞や不整脈、脳梗塞・脳出血)の発症や突然死、低酸素脳症の積み重ねによる認知症の進行など厄介な未来が待ち受けています。CPAP治療で、これらがかなり予防もできますのでSASが心配という方は遠慮なく相談ください。CPAPの適応はPSG(睡眠ポリグラフ)で判断します。当院では入院しなくても自宅で装置を装着していただいて簡易ポリグラフ検査で判定できます。この検査は無呼吸の回数、持続時間、無呼吸時のSPO2の低下度、鼾のひどさなどが数値化されて診ることができます。CPAPによる睡眠時の呼吸補助で無呼吸や低喚起を予防する事で認知症の悪化を予防できる可能性もあるのでご家族に認知症が出てきて心配という方もご相談ください。

なお当院では慢性呼吸不全の方を対象に在宅酸素療法(HOT)にも力を注いでいますので合わせてご利用ください。


<神経伝導検査>

下肢の末梢神経機能が評価できます。



<レントゲン検査>

胸・腹部や四肢のレントゲン撮影を行います。肺炎の有無や心拡大、心不全の有無、下肢動脈の石灰化や骨折の有無などが分かります。院長は全例毎回CTR(心胸郭比)を測って心機能の評価を行っています。糖尿病では心不全が多くCKD(慢性腎臓病)が独立した危険因子であるとともに心不全の合併が生命予後の極めて重要な決定因子であることを2021年の日本内科学会や糖尿病学会で報告してきました。どの様な方に心不全が多いかも解っていますので患者様の状態に合わせて定期的に心評価を行うことで心血管イベントの予防に努めています。また胸部レ線は肺癌や間質性肺炎、肺MAC症の発見にも重要で開業以来10例以上の肺癌を見つけてきましたし間質性肺炎も多数見つけて経過を追っています。呼吸器疾患の重症例は京都岡本記念病院や南京都病院呼吸器内科、京都医療センターなどの専門医への紹介で対応して常に最良の治療が提供できるように努めています。

糖尿病基礎知識


1:血糖値と糖尿病の診断:血糖値とは血液の中のブドウ糖の濃度の事で、食事(特に炭水化物の摂取)により上昇します。ジュースやアイスなどの甘い物を食べると上がりやすいです。空腹時の血糖値の正常範囲は70~109mg/dlで126mg/dlを超えると糖尿病と診断されます。また食後の随時血糖や75gブドウ糖負荷試験での2時間後血糖が200mg/dlを超えると糖尿病と診断されます。空腹時で110~125mg/dl、食後やブドウ糖負荷試験2時間血糖値が140~199mg/dlの間にあれば境界型糖尿病(IGT)と診断されます。逆に血糖値が下がって70mg/dl未満になると低血糖と呼ばれ、30mg/dl以下などさらに低下すると意識を失うこともあります。血糖値の上昇は口からの食事摂取量と肝臓からの糖の放出などで決まります。一方、血糖を下げるのが膵臓のベータ細胞から分泌されるインスリンというホルモンです。通常はこれらがバランス良く働いて血糖値は一定の範囲に収まるように維持されています。

2:糖尿病診療で大切な指標HbA1cとは:これは採血前2~3か月の間の血糖の平均値を表す指標であります。この間に赤血球のヘモグロビン(Hb)にくっついたブドウ糖の量を反映します。血糖コントロールがうまく出来ているかを判断する目安として非常に大切な数値です。健診などではHbA1c≧6.5%で糖尿病と診断され、正常範囲は4~6.1%までです。日本糖尿病学会のガイドラインではHbA1cの治療目標値を若い糖尿病患者様では6%に近づける、合併症の予防には7%までとする、高齢の方で認知症やADL低下、低血糖リスクのある方は8.5%あたりを目標とするなど患者様の状態によって目標値が設定されています。

3:糖尿病の症状:血糖値が高くなると(通常300mg/dl以上で)口渇、多飲、多尿となり急激に体重が減ることもあります。血糖がそれ以下の場合はほとんど無症状です。採血しないと解らないため健診などで定期検査が重要となります。知らずに放置する、あるいは知っていても気になる程では無いために長期放置すると様々な糖尿病合併症が進行します。最後は失明したり透析を受ける羽目になったり足が壊疽になって切断することになったりと厄介な事になります。

4:糖尿病の成因と分類:糖尿病の原因には膵臓のベータ細胞(インスリンを作って血糖に追わせて分泌してくれる細胞)が自己免疫機序などで障害されてインスリン分泌が枯渇して高血糖となる1型糖尿病、肥満やメタボリックシンドロームなどが原因でインスリン抵抗性が高まり相対的なインスリン欠乏状態から血糖が上昇する2型糖尿病(これが一番多い)、ステロイドなどの薬剤やクッシング症候群や巨人症などの内分泌疾患による二次性糖尿病、妊娠糖尿病の4つにおおきく分けることができます。成因によって治療に対する考え方も変わります。

5:糖尿病の合併症とは:血糖値が高い状態が続くと様々な合併症が出てきます。これには大きな血管に起こる大血管障害(脳梗塞、心筋梗塞や狭心症、下肢の抹消動脈疾患)と細かな血管に起こる細小血管障害(網膜症、腎症、末梢神経障害と自律神経障害)の二つがあります。また認知症や歯周病、一部の癌なども糖尿病と密接に関連する事が解ってきました。

網膜症は目の網膜血管の異常で出血から失明に至ることがあります。予防には定期的な眼科医による眼底検査が必要です。進行して前増殖網膜症というステージ以上になるとレーザー光線を用いた光凝固術が大きな出血を予防するために必要となります。

腎症は腎臓の糸球体という部分の障害で起こります。尿のアルブミンが増えて腎機能が低下する病態で、放置すると大量の尿蛋白からネフローゼ症候群という状態に成り、最後は腎不全から透析を受けないと行けなくなります。

末梢神経障害は足のしびれ、感覚鈍麻や痛みなどで、傷が出来ても気づかずに壊疽の原因となることがあります。

自律神経障害は頻脈、起立性低血圧、夜間高血圧、難治性の便秘や下痢、発汗異常や味覚障害、膀胱障害(排尿しにくくなる)、など様々な症状の原因となります。狭心症や心筋梗塞の時にも胸が痛くならないことが多いため突然死の原因としても重要です。

いずれの合併症も血糖が高いほど、糖尿病歴が長いほど、治療を中断した方ほど進行しやすいです。いずれも、ある程度進行しないと自覚症状が現れないので注意が必要です。初期から適切な糖尿病治療の継続が必要な理由は、まさに合併症を予防してQOLを損なわないようにして、皆さんの健康寿命を延長するためであります。




特定健診のご案内


・当院では特定健診を予約にて受け付けています。お電話(0774-54-5456)で予約できます。検査当日、保険証が要りますのでお忘れなく。

・期間は6月1日~10月31日です。終盤の10月は混雑が予想されますので、ご希望の方は早めの予約・受診をおすすめいたします。

・対象は国民健康保険、各健康保険組合加入の40歳以上の方で。宇治市、城陽市、久御山町在住の国民健康保険加入者は無料で健診を受けていただけます。「特定健康診査受診券(75歳以上の方は健康診査受診券)」がお手元に郵送されますので持参の上ご来院ください。

・検査の内容:21項目の問診、血圧、身長、体重、肥満度(BMI)などの身体計測と検尿、血液検査(GOT、GPT、γ-GTP、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、ヘモグロビンA1c)などです。さらに、必要な方には貧血の検査、心電図検査を無料で追加いたします。

・検査結果は数日で出ますので、院長の紀田が内容を確認して説明し結果報告書をお渡しいたします。

・糖尿病、高血圧、高脂血症、高尿酸血症、肥満症など生活習慣病の認められた方は食事、運動療法などの生活指導とともに、その後のフォローも当院でさせていただきます。




自費検査のご案内(健診目的で以下の検査を自費で受けることができます)


1:慢性疾患で通院中の方や職場健診を定期的に受けておられる方は年に1、2回は採血や心電図、レントゲン検査などを受けておられると思いますが、これら基本検査を受ける機会のない方も少なくありません。

2:成人病や癌、動脈硬化性疾患、慢性腎臓病(CKD)など加齢(≧40歳)とともに様々な疾患リスクが高まります。早期発見と予防、治療開始がQOLや健康状態維持のためにも重要です。無症状であっても、ご自身の健康状態を知る意味でも下に記す各種検査を受ける意義は高いと考えますのでお勧めいたします。

3:保険点数に基づいた自費検査料を以下に示します。なお、一般採血・尿検査と胸部レントゲン、心電図検査などをふくめた健康診断書作成料は12,000¥です。解らない事があれば、お気軽にご相談ください。




自費検査一覧と料金(診察料、検査結果の判断量を含めて3000円が別途必要です)


血液一般採血(赤血球数、白血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板数、AST、ALT、γ-GT、中性脂肪、LDLコレステロール、HDLコレステロール、HbA1c、尿酸、クレアチニン):3,320円

甲状腺機能(TSH、FT4):2,500円

腫瘍マーカー 前立腺(PSA):1,400円

腫瘍マーカー 消化管、胆嚢、肝臓(CEA,CA19-9):2,300円

腫瘍マーカー 肺(CEA、SLX、ProGRP、CYFRA):4,500円

尿検査(尿糖、尿たんぱく、尿潜血、ウロビリノーゲン):840円

便検査(2回法、大腸がんのスクリーニングに重要):1,160円

75gブドウ糖負荷試験(75g-OGTT、インスリン測定も含む):11,000円

胸部レントゲン:2,100円

心電図:1,300円




抗体検査のご案内(診察料、検査結果の判断量を含めて3000円が別途必要です)


B型肝炎抗原検査(HBs抗原):880円

C型肝炎抗体検査(HCV抗体):1,140円

風疹抗体検査(IgG-EIA法):2,180円

麻疹抗体検査(IgG-EIA法):2,180円

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)抗体検査(IgG-EIA法):2,180円

水痘(みずぼうそう)抗体検査(IgG-EIA法) :2,180円

結核(T-SPOT)検査:6,300円




各種予防接種のご案内(診察料、判断料は不要です)


肺炎球菌ワクチン:9,000円

麻疹ワクチン:6,000円

風疹ワクチン:6,000円

おたふくかぜワクチン:8,000円

水痘・帯状疱疹ワクチン:9,000円




自己血糖測定器グルコカードプライムを用いた自費での自己血糖測定(SMBG)のご案内

https://www.arkray.co.jp/smbg/senshi/index.html

1:糖尿病患者様でインスリンやGLP1の注射を行っていない経口剤または食事療法のみの方は、自己血糖測定が保険対象外となります。このため自費となりますが、ご自身の日々の血糖値の推移を知るためには自己測定は非常に有用です。

2:当院で使っているアークレイ社の血糖測定器グルコカードプライムは操作も簡単でナチュラレットプラスデバイスによる指先穿刺で得られるごく少量(0.6μL)の血液で、わずか5.5秒で血糖値を測定することができます。

3:近年、食後高血糖や日内の血糖値の変動(アップダウン)が様々な血管障害の原因となっている事が明らかとなり注目を集めています。空腹時は高くなくてもケーキを食べた後や夕食後で過食した後、外食や宴会の後のような様々な状態での血糖値上昇の程度を認識することは重要です。

4:何をどれだけ食べると血糖値がどの程度上がっているかを知る事で、御自身の食事管理の目安にもなり注意喚起ができます。また逆に糖尿病の経口剤を服用中にも関わらず食事を抜く、過度の運動する、などの時には低血糖(血糖値<70mg/dl)を起こす可能性もあります。「なんか変だぞ?」と感じた時に測定すると、それが本当に低血糖によるものか否かの確認もできますので低血糖予防にもつながり非常に有用です。

5:希望される患者様を対象に、当院では血糖測定器Gブラックを無償で貸与しています。保険適応外ですので以下の料金が必要となりますが、自費によるSMBG(self-monitoring of blood glucose)に興味をお持ちの方は、遠慮なく私やスタッフにお問い合わせください。

自己血糖測定指導料(測定方法、測定時間や結果の記録方法の指導):5,000円

グルコカードプライム(定価は9,500円):無料で貸与します

穿刺器具ナチュラレットプラスデバイス(1本):2,000円

血糖測定のグルコースセンサー(30枚入):3,500円

採血針ナチュラレット(30本入):500円

アルコール綿:500円